住み替えの時期が早くなりすぎないようにする

ローンは、返済がスタートしてからしばらくは利息の支払いがメインとなり、元金の返済に至るまでには時間がかかる場合があります。入居から間もない時期に住み替えを行うと元金の返済額が足りず、マンションを売ったお金でローンを完済するのが難しくなる可能性が高いです。

このような状態になると、完済のためのお金を貯蓄から出すか、住み替えローンでまかなうかの2択になります。ただし、経済的な負担が大きくなり、生活が苦しくなる可能性もあるので注意しなければなりません。住み替えをするなら、マンションを売ったお金でローンの完済が可能になるタイミングを待ったほうが賢明です。

住み替えローンのリスクを考慮する

本来であれば、売却額でローンが完済できるまで住み替えを待ったほうがよいですが、物件との出会いは一期一会です。様々な不動産を見ているうちに「絶対にこの物件に住みたい」と強く感じる物件に出会うかもしれません。ローン完済のタイミングを待っていると、物件が他の人の手に渡ってしまうこともあるため「すぐにでも居住中のマンションを売りたい」と思うのは仕方がないことです。

そんなときに役立つのが、住み替えローンです。このローンを使えば、新しく購入する物件のローンに加えて、売却額で完済することができなかったローンの残高も借りることができます。しかし、必要なお金がすぐに手に入る一方で、新物件のローンと旧物件の残ローンの両方を背負い、負担は大きくなるので注意が必要です。結果的にローンが払いきれず新物件を売ろうとしても、売却額で全てのローンを返すのは困難であることも珍しくありません。

そのため、住み替えローンの審査にはとても厳しい制度が設けられており、確実に返済可能であると認められた方のみが審査に通ることができます。審査を通過したとしても、多額のお金を借りることには変わりないので、本当に住み替えローンが必要なのかしっかり考えてみてください。現在住んでいるマンションのローン返済が進んでいないのであれば、新しい物件を購入するのは諦め、堅実に将来のプランを立てることも重要です。

つなぎ融資を一時的に活用する

新しい物件を購入する場合は、マンションの売却まで一時的にお金を借りる「つなぎ融資」という方法もあります。新しい物件を購入するタイミングとマンションを売却するタイミングが合致するのが理想ですが、現実はなかなかうまくいきません。新しい物件の購入手続きが先行してしまった場合は、売却金が手元に渡るまでの間につなぎ融資で頭金などをまかなうことができます。

つなぎ融資は金利が高く、期限が訪れたら一度に完済する必要がありますが、上手に活用することで希望の物件を諦める必要がなくなります。選択肢の一つとして、頭に入れておくとよいかもしれません。