買取とは

不動産業者の買取によって、売却を行うことです。買い手が不動産業者になるため、売却できるのが特徴です。早めに現金を得たい場合などに適しています。

また、買い手が不動産業者であれば、周囲に知らせることなく売却を行うことが可能です。通常であれば不動産情報をインターネット上やチラシに乗せて宣伝活動を行うため、近所や親戚に不動産を売りに出していることがわかってしまいます。誰にも知らせることなく売却を済ませたいときにも、買取が役立つのです。

仲介との違い

仲介は、売り手と買い手の間に不動産業者が立ち、売買を成立させることを指します。買取は不動産業者が買い手になるのに対して、仲介は購入を希望する第三者が買い手になるのが大きな違いです。

仲介を選んだ場合は、不動産情報をインターネットや広告に出して周知し、購入を検討する方が現れたらその都度内見を行いますが、買取にはそういった手間はかかりません。また、仲介で買い手が見つからないときは半年以上時間がかかることもあるため、すぐに現金が欲しいと考えている場合は注意が必要です。

なお、仲介で売却を終えた後に「配管の設備に不具合があった」「シロアリが発生していた」など目に見えない欠陥が見つかった場合は、売り手が責任を負わなければなりません。一方、買取の場合はこうした売り手の責任は免除されます。

買取と仲介の相場

買取と仲介は、相場価格にも違いがあります。一般的に、買取の相場は仲介の査定価格の70％ほどになるといわれています。なぜ買取のほうが安くなるのか、その要因について詳しく確認しておくことが大切です。

買取のほうが安くなる要因

買取相場が安くなる要因は、以下のとおりです。

・リフォームを行うから

一般的に、買取後はリフォームをしてから物件を売りに出すため、リフォームにかかる費用を差し引いた上で買取価格が提示されます。ただし、仲介を選択した場合も設備の状況によっては自分でリフォームを行うことも少なくありません。リフォーム費用によっては、買取を選択したほうが利益は出やすい場合もあります。

・諸経費がかかるから

宣伝を行うための広告費や、買い手を見つけるための人件費など、売却に至るまでには様々な経費が発生します。また、不動産を取得したり、売ったりする際にかかる税金も考慮に入れなければなりません。こうした諸経費を差し引いた上でも利益が出るように、買取価格を決めることになります。

・安くても売り手が了承するから

早く不動産を処分したいと考えている売り手は、仲介より買取価格のほうが安かったとしても了承することが多いのも要因の一つです。「借金の返済に充てたい」「離婚の財産分与のため現金が必要」など、様々な事情から金額よりスピードを優先した結果、相場が安くなる傾向があります。